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【書評】逆境を生き抜くリーダーシップ

本の概要

アメリカの製鉄大手ニューコア(NUE)の経営者が1998年に書いた本です。

ニューコアはミニミルと呼ばれる小型製鉄炉を使いながら、大手製鉄業者とは違った工夫を重ねつつ、従業員の士気を高めて生産性を高くすることで、2014年には全米1位、世界では13位の粗鋼生産量(21.4トン)に達しています。

1位はアルセロールミタルで98.1トン、2位は新日鉄住金で49.3トン、3位は河北鋼鉄集団で47.1トンなどとなっています。

List of steel producers - Wikipedia, the free encyclopedia

また、42年連続増配中で投資先としてもとても優秀です。

会社のポイント

なぜこの会社が業績がいいかというと、こういった点があげられます。

インセンティブ設定

たとえば、生産のベースラインを1時間につき合格品のビレット50トンに設定し、ベースラインを超える一トンごとに基本給の4%に相当するボーナスが支給されるとしよう。

・・・

こうしたチームのベースラインには、現実的な数字を設定するよう配慮している。達成するにはある程度頑張らなくてはいけないが、確実に届く範囲のトン数だ。こちらとしても、チームにはボーナスの味をしめてもらいたい。一度経験すればかならずまた手に入れようと努力するからだ。

何か決まったものを生産し、生産量に応じて収益が決まるような仕事にだけ適用可能なインセンティブだとは思います。

しかし、こういうインセンティブにすることで従業員は自分のシフトの1時間前から準備したりして業績を上げるようになるようです。

新しいテクノロジーへの投資

私が一番避けたいのは安全策を取ることだ。リスクを嫌うことはビジネスでは命取りになる。テクノロジーの急速な進歩を特徴とする業界ではなおさらだ。

薄スラブ連続鋳造と呼ばれる技術を導入したりして今まで作れなかった鉄製品を作るようにしたりするなど、不断の研究開発が行われているようです。

社員とのきずな

自立型の経営を望むなら、従業員とのきずなを維持した方がよく、従業員とのきずなを維持したいなら、誠実各持続的に取り組む姿勢を整えた方がいい。

このように経営者が従業員思いで、従業員の士気が高く、責任範囲を委譲して自立して働く点は「海賊と呼ばれた男」の出光興産に近いですね。 

働き過ぎると同じ業界から邪魔されるところもそっくりです。

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

まとめ

各種企業のことを書いた本は面白いので、アメリカに限らずこういった本を読みながら投資していくとよいのではないかと思います。

また、銘柄としても、これからもし景気回復するならば、素材関連なので注目銘柄です。

逆境を生き抜くリーダーシップ

逆境を生き抜くリーダーシップ

  • 作者: ケン・アイバーソン,Ken Iverson,(序文)ウォレン・ベニス,Warren Bennis,近藤隆文
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2011/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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