【書評】成功はゴミ箱の中に マクドナルド創業者自伝
はじめに
レイ・クロック(Ray Kroc 1902/10/5 - 1984/1/14)はマクドナルドの創業者で、フランチャイズ展開してマクドナルドを世界最大のファーストフードチェーンに発展させた人です。
1955年3月、52歳の時にマクドナルドを設立しました。マクドナルドのアイデアとしては、その前年に業務用ミキサーの営業マンをしていたときに、マクドナルド兄弟が経営していたレストランとの出会いが元になっています。ウォルマート創業者と同じく、晩年に起業してからの大企業への発展となっています。
引用と感想
人々は、私がマクドナルド経営を52歳という年齢で始めたにもかかわらず、瞬く間に成功を収めたことに驚嘆するが、実際にはショービジネス界の人々のように、そこにたどり着くまで30年もの長い下積み生活があったのである。(P160)
ウォルマート創業者のサム・ウォルトンも44歳のときにウォルマートを創業しています。ぱっと初めて成功したわけではなく、それまでの経験も重要だったのでしょうね。
「競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。」私が深夜2時に競争相手のゴミ箱を漁って、前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したのか調べたことは一度や二度ではない。(P182)
ウォルマート創業者もライバル企業の店舗に入って中をチェックすることが日課だったようです。ドライブなどで子供と遊びに行く時もそうしていたとか。この二人はとても似ているかもしれません。
マクドナルドが成功した理由は、低価格でバリューの高い商品をスピーディかつ効率的に、清潔で居心地良い空間で提供することだ。メニューの種類は少ないが、そのほとんどが北米で認知された人気の高い商品である。これらが、他のレストランのように経済の変動に左右される心配が少ない要因だ。(P283)
「新人OL」、つぶれかけの会社をまかされる」という本の中には、差別化するための3つの軸が紹介されています。「1. 手軽軸:早い、安い、便利」「2. 商品軸:高品質、最新技術」「3. 密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化」の3つなのですが、マクドナルドはまさに1.手軽軸を追求した会社ですね。
レイ・クロックが始めた「いつでもどこでも誰でも食べられる」というファーストフードのコンセプトに触発されて、私も「いつでもどこでも誰でも着られる」チェーンを作ろうと思い立ちました。ファーストリテイリングの「ファースト」はファーストフードから取ったものなんです。以後も、マクドナルドのシステムはずいぶんと研究しました。(P358)
最後に付録でついている、ユニクロの柳井さんとソフトバンクの孫さんの対談からの引用です。初期のユニクロは安いけど品質はいまひとつという感じでしたが、今は手軽軸とはいってもかなりの品質が求められる世の中になっているような気がします。
書籍へのリンク
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)
- 作者: レイ・A.クロック,ロバートアンダーソン,野地秩嘉,孫正義,柳井正,Ray Albert Kroc,Robert Anderson,野崎稚恵
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
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私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ (講談社+α文庫)
- 作者: サム・ウォルトン,渥美俊一,桜井多恵子
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