Invest Shift 株式投資ブログ

株式投資についてのブログ

マルチプル・コントラクションとは(続き)

はじめに

こちらの記事がそれなりにPVがあるようなので、株価のマルチプルコントラクション(multiple contraction)についてもうちょっと調べてみました。

マルチプル・コントラクションとは - Invest Shift

検索して調べてみる

日本語ではmarket hackしか情報はなく、英語でもジム・クレイマーが書いている記事しかほぼ情報はないようでした。以下に引用しておきます。

一つめは前回引用した記事とほぼ同じですが、具体例でホールフーズ(WFM)の例が書いてあります。2006/7末にホールフーズが決算を発表し、既存店売上高が予想をわずかに0.1%だけ下回ったそうです。しかし、マーケットでは高PER株に悲観的になっていたため、アフターマーケットで-10%急落したとのことです。

Here’s an example of how things usually play out: You’ll see evidence of a slowdown or the Fed will hike interest rates a bit too far like it did in May 2006, and a lot of stocks that had been working will stop working. In fact, they’ll start going down. But you won’t see a severe multiple correction until your stock reports earnings, which is what happened to Whole Foods at the end of July that year, when its same-store sales growth came in 0.1% below estimates. By then, the market had been ugly for months, and investors already were pessimistic about most high-multiple stocks. That report looped in Whole Foods with the rest. The stock dropped 10% overnight.

Avoiding Multiple Contraction

二つめは2015/8/21の記事です。

この時、ディズニー(DIS)の株式は2015/8/4の$122から$100以下へと20%程度下がっています。すごい企業のディズニーだってこれだけ下がるのだから、他の企業はもっとPER下がってしまうんじゃないの?という記事です。

マーケットが適切なPERを探しているフェーズなので、全体的に下がってしまうとのことです。

2015/8に起こったことが2016/1にもまた起こっているのでしょう。

So, let me try it again: Disney's stock has declined 20% without a cut in sales or earnings estimates. Disney is an archetypal company with the best and most diversified and consistent international and domestic earnings streams that I have ever come across. The media stocks in general have been among the most consistent enrichment vehicles ever created, as befits the fact that their executives are by far the most highly paid of all execs in the country. When their stocks were flying, they deserved every penny of it.

But this market has radically and collectively decided, almost overnight, that that exact same set of assets we had priced at $122 on August 4 is now worth $100.

If Disney is worth four fifths less, then isn't almost everything else that is doing well worth four fifths less?

The Symptoms of a Multiple Contraction Are Out There

前回引用した記事)Sneak Preview: Beware Multiple Contraction - TheStreet

参考)ジム・クレイマーの“ローリスク"株式必勝講座

2016/1の現象はマルチプルコントラクション?

マルチプルコントラクションは景気減速とFRBの利上げがあわさってPERが下がる現象です。

現状、景気についてはISM指数などの指標上すごく下がっているわけではなく、雇用面でも数字はよいのですが、FRBによる利上げは2016/12に0.25〜0.5%へ0.25%の引き上げが行われました。

ADP雇用統計とISM非製造業景況指数(2016/1) - Invest Shift

アメリカISM製造業景況指数(2015/1) - Invest Shift

今週の相場を見てみないとなんとも言えない所はあるものの、2016/2/5の取引では以下のような高PERの銘柄が大きめに下がりました。そして2016/2/8もその傾向が続いています。

Tableau(DATA)-49.44%、Linkedin(LNKD)-43.63%、セールスフォース(CRM)-12.93%、シェイクシャック(SHAK)-11.04%、アドビ(ADBE)-8.29%、レンディングクラブ(LC)-7.77%、Netflix(NFLX)-7.71%、テスラ(TSLA)-7.26%、フィットビット(FIT)-7.09%、スターバックス(SBUX)-6.52%、サイバーアーク(CYBR)-6.5%、アマゾン(AMZN)-6.36%

2016/2/5のニューヨーク市況概況 - Invest Shift

スプリント(S)-10.53%、テスラ(TSLA)-8.99%、サイバーアーク(CYBR)-8.96%、フィットビット(FIT)-8.58%、セールスフォース(CRM)-7.62%、モービルアイ(MBLY)-7.26%、アンダーアーマー(UA)-6.17%、レンディングクラブ(LC)-5.57%、アドビ(ADBE)-5.38%、VISA(V)-5.27%

2016/2/8のニューヨーク市況概況 - Invest Shift

マルチプルコントラクションという言葉は使われていませんが、FANG離れという表現で記事になっていました。FANGとはFacebook(FB)、アマゾン(AMZN)、Netflix(NFLX)、Google(GOOG)の頭文字をとったものです。

こうした「FANG株離れ」は、ファンドマネジャーが利益の薄い成長株よりも収益の安定した銘柄を選好し始めたことを示す兆候の1つにすぎない。

アングル:売り浴びる「FANG」株 ディフェンシブ銘柄に逃避 | Reuters

まとめ 

現在は高PER株が下がっていますが、引き続き暴落するかどうかはわかりません。

ただし、保有している銘柄が高PERである場合は要注意で、もしその比率が大きい場合は下げたほうが良いのではないでしょうか。

また、高PER銘柄を買うことを考えている場合は、一般に本当に大きく下げた後の戻りは鈍いので、そこから買うことを考えてもよいのではないかと思います。

参考書籍

ジム・クレイマーの“ローリスク

ジム・クレイマーの“ローリスク"株式必勝講座

 
全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦

全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦

  • 作者: ジムクレイマー,James J. Cramer,井手正介,吉川絵美
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本
  • 購入: 9人 クリック: 45回
  • この商品を含むブログ (38件) を見る
 

feedly twitter にほんブログ村 株ブログ 米国株へ Subscribe with Live Dwango Reader