ブラジル経済は1930年以来の惨状に
ブラジルの惨状
この数字だけでもひどさがわかると思います。
1. 国家予算の不足はGDPの9.5%に
2. インフレ率は10%以上に
また、失業率が1年で3.2%上がって7.9%にというのもかなり衝撃的な数字ですね。
Brazil’s left-leaning president, Dilma Rousseff, presided over an economy where unemployment rose to 7.9% in September, up from just 4.7% in October of last year, inflation is running at more than 10% for the first time since 2002 and Brazil’s government budget deficit is now at 9.5% of GDP according to the Financial Times.
http://www.investing.com/analysis/the-sick-man-of-south-america-or-an-opportunity-in-waiting-374894
2015年7~9月期GDPも前年同期比-4.5%という、これまたかなりの落ち込みになっています。
ブラジル地理統計院が1日発表した7~9月期の同国の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で4.5%減った。現行統計が始まった1996年以降の継続性のある四半期データでは最悪の落ち込み幅になった。
ブラジル経済に何が起きているのか?
もともと無理な財政運営をしていたところに、コモディティ価格の下落が加わったということのようです。
ブラジルは基礎的財政収支の赤字、大きな公的債務、実質的な高金利、成長率鈍化、雇用市場の不調、コモディティ(特に大豆、鉄鉱石)価格の下落とソブリン債務引き受けの恐れという複合的な毒性に直面している。
「1. 国家予算の不足はGDPの9.5%に」の原因としては、政権運営が悪すぎたということがあるようです。ブラジルの定年退職年齢は平均54歳だそうで、これでは財政も厳しくなるでしょうね。
ルセフ大統領とその所属政党である中道左派の労働党(PT)は、もともと悪い状況をさらに悪化させた。2011年から2014年にかけての1期目に、ルセフ大統領は浅はかにも大盤振る舞いを敢行し、年金支給額の引き上げとお気に入りの業界に対する非生産的な税控除に支出した。2010年時点で国内総生産(GDP)比2%だった財政赤字は、2015年には同10%にまで膨らんだ。
「2. インフレ率は10%以上に」の原因としては、レアルの減価があります。ブラジルの通貨レアルは、ここ1年半の間にドルに対して半分近く減価してしまっています。レアルがここまで下がってしまうと、輸入商品が高騰してしまいます。
また、ここまでレアル安になっても輸出は少ししか増えていません。 輸出品目上位としてはやはりコモディティーで、鉄鉱石・大豆・原油とのことなので、これは当分増えそうにないですね。
予算がないので、伝統のカーニバルでさえも中止せざるをえません。
サンパウロ州にある人口300万人の街カンピーナスも、祭りの行事を控えめにせざるを得なくなった都市の1つだ。カンピーナス市役所のガブリエル・ラパシ文化部長は、地元企業の業績不振で売上税の税収が急減しており、同市には今年のカーニバルの費用130万レアル(32万2000ドル)を負担する余裕がないと述べている。
ブラジルでカーニバルが続々中止 深刻な不況が予算を直撃、サンバパレードどころじゃない | JBpress(日本ビジネスプレス)
まとめ
BRICSはどこもいいところがないですが、ブラジルの崩壊が大きなニュースになると新興国株式の買い時かもしれませんね。
今のところ、経済は最悪なものの、株価はそれほど下がっていません。