モデル3がバカ売れだがテスラは生産できるのか?
モデル3が発売
今までに、テスラ(TSLA)はモデルS(約800万円〜)とモデルX(約1600万円〜)を発売しました。これらの製品は価格を見てわかる通り、大衆向けの製品ではありませんでした。
2016/4/1に約400万円にまで価格を下げて、モデル3の予約販売を行ったところ、予約が殺到しました。ただし、テスラは納車が遅れることで有名なので、実際に届くのはまだまだ先になりそうです。
2016年4月1日に行われたテスラのスペシャルイベントで、低価格帯モデルとして3万5000ドル(約390万円)の電気自動車「モデル3」が発表されました。日本でも預託金15万円で予約受付がスタートしているモデル3には予約注文が殺到しており、その数はわずか3日間で27万6000台にも及んでいます。
預託金は日本円で15万円なので、海外でも同等として1ドル=110円で計算した場合、150000 x 276000 / 110=$376M程度の現金をテスラが得ることになります。
売上としては、上記の予約分だけで4000000 x 276000 / 110=$10Bになります。
マスク氏のツイートによると、第2弾の発表イヴェントが開かれる前に、先行販売が50万台に達する可能性があるという。
マスク氏はソーシャルメディアでの質問に答えて、予想を上回る(2〜4倍の)先行販売台数だと述べた。また、「テスラの誰も、先行販売がこれほど多いとは思わなかった」と付け加えた。
また、予約が50万台に達する可能性もあるとのことです。テスラの2015年の販売台数は5万台程度なので、どうやって製造していくのかがポイントです。業績や財務諸表を見ると、新たに資金調達して生産設備を増強していくことになりそうです。
テスラの株価
2月の下げからの反発に続いて、大幅に上昇しています。
テスラの業績と財務
売上は年間で$4B程度になってきていますが、まだ赤字の状態です。売上が拡大することが見込まれるので、現状はあくまで参考ですね。
バランスシートを見ると、赤字なので株主資本は小さく、それに比べて債務が大きいことがわかります。また、現金は$1Bほどしか保有していません。有利子負債が増えていないのに総負債が増えているのは、その他負債の項目が増えていました。
営業キャッシュフローがマイナスな状態で経営を行っています。フリーキャッシュフローもマイナスです。どこかから資金調達をしないと設備投資はできない状況です。
まとめ
テスラは資金がなく、フリーキャッシュフローもないので、殺到した予約に対応するために融資を受けると思われます。すぐにではないものの、$10B以上の売上があることが分かっているので、融資の交渉もしやすいのではないでしょうか。
今年度の予想EPSは$1.27、PERにすると200倍程度になりますが、PERでは計れない銘柄だと思います。こういった銘柄はボラティリティーが高くなるので、注意して投資したほうがいいでしょう。
また、2015年の生産台数からいって急拡大は難しいので、業績が改善するのはだいぶ先になりそうです。あせらずに様子を見てから投資してもよいのではないかと思います。