金に投資するなら金鉱株?金ETF?
金がブームになるかもしれない
イギリスのEU離脱が決まり、不確実性が高まっています。
これに伴って世界的に金融資産への不安が高まっていることから、金という安全資産に資金が流れ込む可能性があります。
ただし、長期保有に向かないのは歴史が証明しているので、保有するにしても一時的なものとして考えておくほうがいいと思います。
また、個別株よりもETFの方が値動きがマイルドです。一般的にはETFのほうがおすすめです。
アメリカ市場で金ETFを買う
アメリカではSPDR GOLD SHARES(GLD)がETFとして上場していて、総経費率は0.40%とお手頃になっています。
後述しますが日本市場で買う方が手数料は安いと思います。
こちらの出来高は大きいです。
http://www.spdrgoldshares.com/media/GLD/file/ETF-GLD_20151231.pdf
アメリカ市場で金鉱株を買う
アメリカのニューモント・マイニング(NEM)、カナダのゴールドコープ(GG)やバリック・ゴールド(ABX)、南アメリカのハーモニー・ゴールド・マイニング(HMY)などが有名です。このところ値動きがいいのはNEM ABXですね。
3年間の値動きを見ると、個別株はETFの数倍の値動きがあるのがわかります。
黒:GLD(ETF) 青:ABX 赤:GG 緑:HMY 桃:NEM
個別株と金ETFとの値動きの差にはオペレーティング・レバレッジという現象が関係しているとのことです。金価格の値動きが企業の利ざやを増やす比率は、保有している金の価値の増加率より高いというわけですね。
レバレッジがかかっているので、個別株に投資するとETFより投資金額が実質的に増えているだけともとれます。
皆さんはゴールドのETFと金鉱株のETFの間で、どうしてこれほどまでにパフォーマンスに開きが出るのか疑問に思うかも知れません。
その理由は金鉱株ETFが保有しているのはバリック・ゴールド(ティッカーシンボル:ABX)やニューモント・マイニング(ティッカーシンボル:NEM)のような産金会社の株式であり、それらの産金会社の業績は金価格の上昇幅より遥かに早いペースで拡大する傾向があるからです。
これは「オペレーティング・レバレッジ」と呼ばれる現象が起因しています。
産金会社が地中からゴールドを掘り出してくる際にかかる採掘コストは、大体900ドル前後です。すると金価格が900ドルを割り込むと、産金会社は赤字になってしまいます。
逆に金価格が900ドルを超え、1000ドル、1100ドル、1200ドルとどんどん上昇してゆくと、産金会社の利幅の拡大率は金価格そのものの上昇率より数倍早いペースになるのです。まるで「てこの原理」を利用したように利益が等比級数的に伸びることから、オペレーティング(=操業時のという意味)・レバレッジと呼ばれているわけです。
日本市場で金を買う
日本市場で取引されているETFとしては、1326 SPDR ゴールドシェアがあります。
アメリカと同じ運用会社の商品で、こちらも総経費率は0.40%となっています。
証券会社の手数料を考えるとこちらを買うほうが良いかと思います。
ただし、出来高はあまり大きくないです。
http://www.spdrgoldshares.com/media/GLD/file/japanese/03_March_GLD_Fact_sheet_JP.pdf
ブラックロックゴールドファンドという金鉱株に分散投資する投資信託もありますが、信託報酬が年2.16%と高めなのでおすすめしません。
https://www.blackrock.com/jp/products/261003/blackrock-gold-fund
参考記事
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