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ブラックロック(BLK)株2015Q3決算

ブラックロック(BLK)2015Q3決算カンファレンスコール

サマリー
・Q3の売上は29億ドル
・Q3の営業利益は12億ドル
・Q3のEPSは5ドル

株価の動き

ブラックロック【BLK】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス

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Gary Shedlin - Chief Financial Officer and Senior Managing Director

2015Q3の結果を紹介できて喜ばしく思います。Larryにコメントしてもらう前に、Qの決算結果を振り返ります。いつも通り、調整済の結果にフォーカスしていきます。マーケットの下落に関わらず、Q3の結果は多様な世界プラットフォームの安定性を示し、それは継続的な成長と、安定的な営業マージンとシステマティックな資本リターンを示しています。

Q3の売上は29億ドルで前年より2%増加し、営業利益は12億ドルとなり1%の増加でした。EPSは5ドルで前年より4%減少しましたが、これは営業外の費用が増加し、税率が上がったためです。営業外収支は0.06億ドルの投資利益があり、これは主にプライベートエクイティと不動産投資の収益です。ヘッジファンドとヘッジなしもしくは部分ヘッジのマルチアセット、そして固定収益のシードインベストメントです。

調整済税率は29.3%で前年は26.2%でした。前年が低かったのは一時的に税率が低かったためです。現在、30%の税率がQ4にとって妥当だと推定していて、現在の状況と地理的な構成を考えると31%の税率が2016年には妥当だと思われます。

当社は35億ドルのQ毎の収益があり、年間3%で成長しています。キャッシュフローは投資スタイルとクライアント全体に渡ってプラスで、広範囲で多様なビジネスをより強固なものにしています。マーケットの動きは激しく、Qの間に世界の企業で二桁の変動があり、大きな為替の動きがあります。クライアントは引き続き当社を確実なリスクマネジメントと長期投資のために頼っています。全体として、マーケットの下降と為替の影響はマネジメントしている資産を265億ドル減少させました。

過去12ヶ月で当社は約186億ドルの新規ビジネスを産み出し、これはAUM成長率で4%、ベース手数料成長率で6%となり、手数料が高いチャンネルでの高成長が寄与しています。2000億ドルの為替の悪影響にかかわらず、Q3のベース手数料は前年とほぼ変わりませんでした。為替の影響を除くと、ベース手数料はYonYで3%の成長です。

QonQでベース手数料はAUM(Asset Under Management:運用資産額)の低下により3%減少しています。証券融資活動の季節変動と、新興国コモディティが先進国をアンダーパフォームしたことから手数料率が変化したためです。

Q4の始まりの手数料も、Q3の平均残高よりAUMが減少していることから影響を受けています。パフォーマンス手数料は2.8億ドルとなり前年から56%増加し、これはQ3にヨーロッパのヘッジファンドが年間ですばらしい収益をあげたことを開示したためです。

BlackRock Solutions の売上は1.67億ドルでYonYで1%、QonQで4%増加しました。Aladdin の売上がBRSの81%を占め、YonYで11%増加し、いくつかの大きな顧客によって増えました。2009年からすると2倍になっています。

BRSと企業クライアントチームは緊密に連携してながらクライアントと対話をしています。グローバルな投資プラットフォームとリスクソリューションへの需要は増えています。

マーケットアドバイザリー(FMA)は前年に比べて0.11億ドルの減少で、QonQでは変わらずです。減少したのは、2014Q3でECB AQRのアドバイザリーがあったためです。金融危機後に機会が減少したのにも関わらず、FMAは安定的に収入を得ていて、これは業務委託が増加したのとリピーターが増えたことによります。

総費用は0.48億ドル増加し、YonYで3%増加しました。これは主に社員数が増えて報酬費用が前年より0.52億ドル増えたことによるものです。パフォーマンス手数料の上昇と繰延報酬費用の増加が、ドル高によって一部相殺されています。

販管費は前年より0.07億ドル減少し、これはマーケティング費用が少なかったのが為替の影響を海外にあるドルについて評価し直したことで相殺されています。

前年のGAAP 販管費は0.05億ドルの費用を含んでいて、それは保証資産の減少で今までに含まれていなかったものの影響です。

QonQでは販管費は0.07億ドル増えてプロフェッショナル費用がQ3に上がったためです。Q3の営業マージンは43.9%でマーケット環境の中で出費に注意しています。引き続き任意の費用に注意しますが、Q4の販管費は季節要因と、近頃成立した買収に関わる取引費用が含まれることにより高くなる見込みです。

マージン目標は設定していません。長期的な価値を株主に提供することに集中し、戦略的な投資と費用マネジメントに注力していきます。

引き続きキャッシュフローを利用して株主価値を最適化しますが、最優先はビジネスへの投資とし、残った利益は決まった形で株主に還元していきます。Cuarada の買収を完了しました。この会社はメキスコで独立してインフラ投資をしているものです。またFuture Advisor というデジタル資産マネジメントの会社も買収しました。これらの取引による決算結果への大きな影響はありません。

Q3に2.75億ドルの自社株買いを行い、これは期末に向けてよい買値だったと思います。クライアントは高いマーケットボラティリティーを経験しましたが、当社は500億ドルのネットフローがあり、これは350億ドルの長期ネットフローを含み、多様な投資と配布プラットフォームとアルファ世代へのコミットメントのおかげです。

グローバルフランチャイズは長期ネット流入フローで70億ドルがあり、すべての資産クラスでプラスで年間換算で5%のQ成長と、過去12ヶ月に10%の成長があります。

世界のネットフローは50億ドルで、世界の株とアクティブ債券への流入によって安定しています。アメリカでは長期流入フローは20億ドルで、今Qはアメリカの投資信託会社にとって厳しいQであったことから弾力性を示していると思います。当社のフローは広範囲の債券とプラットフォーム全体の確実なパフォーマンスが差別化を可能にしていて、それはアクティブやハイイールドなどからの資金流出にもかかわらずです。

iShares は230億の新規ネット流入があり、年間換算で9%のQ成長があり、過去12ヶ月では12%の成長でした。iShares の価値は流動性と透明さで、これはマーケットにおいて明確で、流動性は高く資金流入も記録的レベルです。

iShares の債券への流入は180億ドルでETFの吸収を反映していて、これは速く債券マーケットにアクセスし投資するためです。iShares の株への流入は50億ドルで、これは先進国への流入に牽引され、日本とヨーロッパのファンドも含みます。投資家はますますリスク重視の商品に注目していて、ボラティリティーが低いファンド組成が20億ドル以上にもなり、国内商品のあいだでナンバーワンになりました。

世界のクライアント向けビジネスは50億ドルの長期ネット流出で、これは、クライアントが増えてアクティブソリューションや代替の業務委託を利用してアルファを稼ごうとしているため、手数料を高くしたためです。

Institutional は60億ドルの流入で40億ドル以上の債券戦略と20億程度のコア代替商品で歴代6位の成績でした。

Alternative が含むのはインフラ、プライベートエクイティ、不動産、ファンドtoファンドや代替ソリューションです。ファンド立ち上げは引き続き力強く、10億ドルの非流動的Alternative コミットメントを追加しました。トータルのファンド化されていないコミットメントは、将来的な流入となるもので、約119億ドルあります。

全体としてはQ3の結果が示しているのは今までの投資の効果で、差別化のためにおこなったものです。投資スタイルや配布チャンネル、商品や地域性の多様化が可能にしたのは、マーケット環境や投資の好みによらないサービスです。我々の目標は一貫して差別化された成長を続けることです。

Laurence Douglas Fink - Chairman and Chief Executive Officer

Q3の結果はクライアントが引き続き当社のリスクマネジメントと投資ソリューションに信頼を寄せていることでもたらされ、我々は長期目標を、不確実でボラティリティーの高い経済環境の中で達成できるように注力しています。

中国経済の引き続きの減速と、コモディティ価格の弱さ、FRB金利決定の不確実性と通貨変動はグローバルマーケットの下降をもたらしました。

Q3で新興国の株式は19%下がり、エネルギー関連株は23%下がり、ヨーロッパとアメリカのインデックスはそれぞれ9%と7%下がりました。政府の取組はマーケットに影響を与えます。つまり、中央銀行の政策は金利と通貨を不安定にしました。このところの数日のラリーの前には、新興国の通貨はQ3で約9%の高いボラティリティーとなりました。

今まで以上にクライアントはBlackrock のモデルを評価しています。Blackrock の世界的で複数プロダクトのプラットフォーム、Aladdinの先進的なリスクマネージメントや長期的なソリューションが可能にしたのは、クライアントとポートフォリオ構成や資産構成を決定するときのよりしっかりした対話です。

これらの対話はBlackrockのプロダクトだけに注目したものではなく、クライアントが求めているものや我々がグローバルプラットフォームから提供できるものにも注目しています。このやり方で、より強く長く続く関係をクライアントと構築することができ、Q3には500億ドル以上のネット流入をもたらしました。

クライアントはBlackrockに資産管理だけを依頼しているのではなく、金融関係の発展での長期影響を理解できるようにすることも求めています。Blackrockは引き続き議論を続け、Q3にはいくつかのセミナーを開催しマーケットのボラティリティーについて説明しました。

もっとも大規模なセミナーは4000人以上でした。このクライアント参画のレベルによって、Blackrockは安定的に成長し、Q3に350億ドル以上の長期ネット流入があり、投資スタイルやクライアント種別にかかわらずプラスでした。

ボラティリティーマーケットでの多様な流入は我々のプラットフォームに伝わり、顧客体験を差別化します。引き続き世界展開を行い、全体的な結果指向のソリューションでプロダクトを多様な顧客向けにし、クライアントは利潤と今日のマーケットにおいても変化しないリターンを追求するでしょう。

アメリカではクライアントのインカム重視プロダクトへの需要を想定しています。Income Opportunity and Multi-Asset Income funds を発売してから、このカテゴリーのどのファンドより多くの流入がありました。350億ドル以上の流入です。

アメリカのこれらのファンドのおかげでBlackrock のグローバル債券アクティブとバランスファンドは世界的に好調です。FIGO(Fixed Income Global Opportunities)は0.0038億ドルの流入、グローバルバランスファンドは14億ドル以上の流入です。

Institutional においては、クライアントのアクティブ債券とアルタナティブへの需要は引き続き手数料収入を押し上げています。例えば、公的機関のクライアントはネット販売と安価な手数料のインデックス株式に牽引されますが、需要が高まっているのは、アクティブやアルタナティブのプロダクトやソリューションで、これはこのクライアント全体の収益成長を押し上げています。

これは数年間話し続けていたことですが、クライアントはインデックスとアクティブをいったりきたりしています。数年前と比べてBlackrockを差別化する最も大きな要因は、アクティブも債券もパッシブのプロダクトも持っていることです。

最も包括的で世界的なソリューションでさえも、パフォーマンスが低ければ十分とは言えません。目的は投資プラットフォームを合うとパフォームさせることです。

チーム指向のアプローチを行い、つながりと知識を高め、情報を技術とビッグデータで見識に高め、資産と投資戦略全体に渡ってパフォーマンスを高めていきます。

安定しているエリアは、強く革新的なエリアで、才能に再投資しているエリアです。アクティブ株式投資の97%はベンチマークと3年間の業界平均を上回っていて、アクティブ債券の90%はベンチマークと3年間の業界平均を上回っています。

過去数年の間、株式事業に技術者を新規雇用し、Blackrock全体から人材を集めて株式プラットフォームをより効率的にしてきました。この投資が利益をもたらし、アクティブ株式投資の80%、つまり資産総額の58%はベンチマークと1年及び3年の業界平均を上回っています。
プラットフォームは結果を出し続けています。ヨーロッパとアジアの株式は99%(資産額の91%)はベンチマークと3年の業界平均を上回っています。

投資家は高ボラティリティーの中でiSharesを購入し、リスクを取りポートフォリオの質を高めています。iSharesは230億のネット流入です。iShares はアメリカとヨーロッパでシェアNo.1となりました。iShares の流入は債券投資によって増加し、これは投資家が債券投資ETFを分散化と流動性のために利用しているからです。

株式の流入はヨーロッパのiSharesへの50億ドルの流入に牽引され、カナダとアジア太平洋でプラスでした。マーケットの高ボラティリティーが、8/24の取引開始時に急落を引き起こしました。

株価の不明確さ、開場時の広範囲な遅れ、予想していない取引停止が多数のアメリカ個別株と株式ETFに影響を与えました。

いろいろなマーケット参加者と話し、経験とその内容からアメリカ株のマーケット構造に基づいていくつかの推薦を行ったものを記事にまとめ、"8/24の教訓からのアメリカ株式マーケットの構造"として先週発行しました。

iShares への需要は多く、8/24以降の流入は安定的で、昨日までに250億ドル近くの流入でした。近頃のマーケットの変動にかかわらず、長期にフォーカスし、クライアントと株主に利益をもたらすような投資を行っていきます。

ここ2年間のInstitutional クライアントのリバランス調査が示すのは、実物投資を増やすということです。実物資産の商品を拡大していきます。クライアントに、収益、多様化、収益の安定化、そして試算評価の可能性を提供しつつ、経済成長と雇用の拡大も目指していきます。

Gary が今月始めに発表したように、Cuadrada の買収を完了しました。Blackrockはクライアントのために約70億ドルのインフラ投資を管理しています。

技術には注力していて、それはクライアントサービス向上のためです。引き続き多様な資産を生かしてAladdinプラットフォームを向上させます。YonYで収益が11%成長し、投資家はルールや金融の仕組みが変化する中でリスクマネジメントにフォーカスしています。Future Advisor の買収も完了しました。

消費者がBlackRockやFuture Advisorに投資するための技術に慣れてきて、我々は配布パートナーにクライアントによりよいサービスを提供させることができます。それはFuture Advisor の技術とBlackrock のマルチアセット投資能力と、技術とリスク分析の融合によって可能になります。

不確実性は増していますが、引き続きプラットフォームと人材に投資し、クライアントと深い対話を行い、安定した成果を株主に届けます。