Brexitの影響とEU離脱の確率は?
Brexitとは
Brexitとはイギリス(Britain)がEUから離脱(Exit)することを意味する造語です。
イギリスでは、移民問題やユーロ危機に巻き込まれたことなどを理由に、EUからの離脱を求める世論が高まっています。
2013年にキャメロン首相(保守党)が、EUからの離脱を目標とするイギリス独立党に対して、こういった約束をしたことから国民投票を行わなければならなくなりました。
「2015年の総選挙でイギリス独立党が保守党を支持するなら、2年以内にEU離脱するかどうかの国民投票をする」
今のところ世論は半々に分かれ、世界経済への大きな不確定要因になっています。
Brexitの影響予想
ショックシナリオと大ショックシナリオ2つのケースに分けて、イギリスの財務省がBrexitの影響予想をしています。
ショックシナリオではGDP成長率 -3.6%、インフレ率+2.3%、失業率+1.6%、住宅価格-10%などと悲惨な数字が並びます。大ショックシナリオに至っては、GDP成長率 -6.0%、インフレ率+2.7%、失業率は+2.4%、住宅価格-18%と経済に大きく悪影響を与えるであろう数字です。
ちなみに、2015年と2016年のブラジルのGDP成長率が-4%程度なので、比べてみるとどれだけ悪い数値かなんとなくわかりますね。
HM Treasury analysis: the immediate economic impact of leaving the EU - Publications - GOV.UK
イギリスの離脱確率
6/13に行われた調査では、EU離脱派がEU残留派をわずかに上回っています。
今のところ確率は半々といったところでしょうか。
6/23にこの結果が出るまでは株価は神経質な動きになると思われます。
調査会社ICMが13日発表した電話とインターネットを通じた世論調査によると、英国で今月23日に実施される欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票で、離脱を支持する人の割合は53%となり、残留派の47%を6%ポイント上回った。
2週間前の調査では、離脱派が52%、残留派が48%で、双方の差が拡大した。
調査は10-13日の期間中、電話で1000人、インターネットで2001人を対象に行われ、電話調査はガーディアン紙が支援した。「分からない」との回答を含む調査結果は、電話調査が、離脱派50%、残留派45%、分からないが5%。インターネット調査が、離脱派49%、残留派44%、分からないが7%だった。
6/16日時点の情勢(追記)
6/16日時点の調査でも、離脱派がやや優勢のようです。
英夕刊紙イブニング・スタンダード(電子版)は16日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票に関するイプソスモリ社の電話世論調査結果を掲載し、「分からない」の回答を除く投票意思がある人に限った離脱支持が53%で、残留支持の47%を上回った。2013年にキャメロン首相が国民投票実施を公約して以来、この調査で離脱派がリードしたのは初めてという。
6/21日時点の情勢(追記)
世論調査では6つのうち3つで残留指示が優勢だったとのことです。
また、予想オッズも盛り返しました。
前週末に公表された6つの英世論調査のうち、3つでEU残留支持が優勢になったことが判明。英ブックメーカー(賭け業者)のベットフェアの予想オッズでも、23日の国民投票でEU残留が決まる確率が78%前後と、最も低かった16日時点の60%から盛り返した。
こちらでは世論調査を集計して情勢を掲載しています。
こちらのサイトによると、現在は50:50と予断を許さない状況のようです。
EU Referendum Poll of Polls – What UK Thinks: EU
6/23日時点の情勢(追記)
直前に公表された世論調査も、支持率の差は拮抗したまま投開票に入りました。
結果は日本時間6/24午後には発表される見込みです。
6/23のニューヨーク市場はわりと大きめに上昇したので、市場は残留を織り込んでいるようです。
22日公表された4つの世論調査のうち、3つは残留と離脱の支持率の差が2ポイント以下と拮抗(きっこう)。残りの1つでは残留派の優勢が明確に示された。英ブックメーカーのオッズも残留派のリードを示している。離脱派に勢いが傾いた兆候が表れると下落する傾向がある英ポンドはこの日、対ドルで上げ幅を拡大し、年初来の高値を付けた。