景気循環とセクターローテーションの理解は重要
景気循環とは
景気は良くなったり悪くなったりの波を繰り返していくものです。
景気が良くなりすぎるとバブルになったり、バブルの反動で悪いときは悪すぎたりします。景気のいい時に上昇するセクター、景気が悪い時に上昇するセクターがあります。
景気循環とセクター
景気循環を縦軸にとると「景気が強い」「景気が弱い」です。
それに「インフレ」「デフレ」を横軸にとったものが下記の図です。
図はMarket hack からお借りしています。
右上:景気が強く、インフレ
右下:景気が弱く、インフレ
左下:景気が弱く、デフレ
左上:景気が強く、デフレ
となっています。
景気が強く、インフレ
最初は右上のエリア、「景気が強く、インフレ」から始めましょう。「景気が強く、インフレ」の時期とは、好景気の中半から後半です。このときはインフレを適度に抑える必要があるので金利はだんだんと上がっていきます。例えば、リーマンショック前の数年の好況がこのエリアにあたります。
景気が弱く、インフレ
ずっと景気が強いわけではなく、なんらかの原因で景気が悪くなるときがあります。金融危機のようなハードランディングか、もうすこし程度が軽いソフトランディングかになります。そうすると、「景気が弱く、インフレ」という右下のエリアに移ります。
この時期は、普通は景気対策ですぐに金利が下がるので長くないと思います。
景気が弱く、デフレ
そして、金融政策により金利が低下し、「景気が弱く、デフレ」という左下のエリアに移ります。例えば、金融危機後、2015年くらいまでの金融緩和が行われてきた時期がこれにあたります。ここでは金融緩和の効果もあり、市場も落ち着きを取り戻しだんだんと景気が回復していきます。
景気が強く、デフレ
次に、だんだんと回復していた景気にはずみがつき、「景気が強く、デフレ」という左上のエリアに移ります。これは現在のアメリカのように、ある程度景気が回復し、金利が景気に見合わないほど低くなってくるので、利上げが実施されていきます。
そして、より景気が強くなると、よりインフレになり、「景気が強く、インフレ」という右上のエリアに戻ることになります。
一般的にそれぞれの時期に上がる業種(セクター)というのが分かっていて、それを図にしたのが上の図になります。今のアメリカは右上のエリアに入ろうとしているので、セクターとしては「工業」「素材」「消費循環」が狙い目だということになります。
SPDR ETFとの対応
SPDR のセクター・産業別ETFと上記の図との対応をまとめておきます。こちらの組み入れ銘柄を見ると、どの銘柄がどのセクターに属しているのかがわかります。
XLY(消費循環)
XLE(エネルギー)
XLF(金融)
XLK(ハイテク、SPDRではテクノロジー)
XLU(公共、SPDRでは公益)
XLI(工業、SPDRでは資本財)
XLP(消費安定、SPDRでは生活必需品)
XLB(素材)
XLV(ヘルスケア)
SPDRの方には通信はありませんが、AT&T(T)ベライゾン(VZ)などの銘柄が通信にあたります。
まとめ
こういった景気循環を頭に入れながら、時期に合わせてポートフォリオを組み替えていくとよいのではないでしょうか。自分のポートフォリオの何割がどのエリア(右上、右下、左下、左上)にあるのかを把握しておくことも大事です。
参考書籍
景気循環とセクターローテーションについて詳しく書かれている本はこちらです。
この2冊を読んでおけば十分だと思います。