シュルンベルジェ(SLB)2015Q3決算
油田探査および、各種油田探査用計測機器の開発・製造を行っている世界最大の多国籍企業です。
XLE、S&P500、エクソンモービル(XOM)との3年間の比較はこのようになっています。
サマリー
・2015Q3売上は$8.5Bでコンセンサス予想よりマイナス$80M
・2015Q3EPSは$0.78でコンセンサス予想よりプラス$0.01
・油田サービスの業績は原油価格から遅れて回復する想定
会社資料
http://investorcenter.slb.com/phoenix.zhtml?c=97513&p=irol-quarterlyresults&nyo=0
直近の決算推移
四半期 | Sep 30, 2015 | Jun 30, 2015 | Mar 31, 2015 | Dec 31, 2014 |
売上 | 8.47B | 9.01B | 10.25B | 12.64B |
営業利益 | 1.28B | 1.48B | 1.33B | 0.73B |
純利益 | 0.99B | 1.12B | 0.98B | 0.3B |
5年間の株価の動き
決算発表のメモ
EPSは$0.78となり、QonQで$0.10、YonYで$0.71減少しました。
売上は$8.5Bとなり、QonQで6%減少しました。減少原因の40%は価格です。
$545Mの自社株買いを行いました。
北アメリカの売上は4%減少しましたが、Q2の27%の減少よりだいぶ小さく、リグカウントが7%減少したのに比べても小さいです。
西カナダではリグカウントはQonQで二倍になりましたが、それでもYonYでは52%の減少です。
アメリカ以外では売上は7%減少しました。顧客の予算カットなどが原因です。営業利益マージンは23.7%で、QonQで72bp、YonYで83bp減少しています。
マーケットの見通しの一つめです。2015Q4に入って引き続き原油マーケットは中国の減速とイランの輸出を嫌って下げています。しかし、需給のバランスは引き締められていて、これは世界のGDP成長がしっかりしているのと、資源開発投資のカットが影響しているためです。このトレンドは続くと予想していて、オイルマーケットが製品サイクルの影響を認識するにつれて、だんだんと原油価格は回復していくでしょう。
二つめは、原油価格の回復予想に関わらず、マーケットの油田サービスへの予想は厳しいものだということです。生産活動の減少とサービス価格へのプレッシャーがあると想定しています。
これは顧客が財務的なプレッシャーを受けているためで、1年続いた低い原油価格がキャッシュフローと投資を細らせ、2016の資源開発予算を保守的なものにしています。
この見通しに基づき、資源開発投資は2016Q2まで減少すると考えています。これは1986の不況以来のことです。原油価格の回復予想と資源開発投資と油田サービスの回復には時間のギャップがありそうだと考えます。
では時間がかかるため、さらにキャパシティの削減をすることを決定し、これはQ4にリストラ費用として計上されます。